港区出張リハビリトレーナーが勧める小児麻痺の方のトレーニング
今回は、小児麻痺(ポリオ)による後遺症をお持ちの方への運動支援とトレーニング方法について、専門的な視点から分かりやすく解説します。
「小児麻痺で片側の筋力が弱い」「転倒が不安で運動できない」「日常生活で疲れやすい」
このような悩みを抱える方に、安心・安全に取り組める運動と、日常生活のサポート方法をご提案します。
小児麻痺とは?リハビリの重要性
小児麻痺(ポリオ)は、ポリオウイルスによって運動神経が障害され、四肢の麻痺や筋萎縮などが起こる神経筋疾患です。
現在ではワクチン接種の普及により発症例は減少しましたが、かつて発症した方の中には今なお後遺症と向き合いながら生活をされている方も多く、年齢とともに「後遺症の進行(ポストポリオ症候群)」が問題になることもあります。
リハビリの目的は、「できる機能を最大限に生かし、生活の質(QOL)を高めること」です。
小児麻痺による身体の特徴
小児麻痺の方に多く見られる特徴には以下のようなものがあります:
- 片側または両側の筋力低下
- 筋委縮・関節拘縮(硬さ)
- 姿勢の偏り(骨盤の傾き、側弯など)
- 疲労しやすい(筋力の予備が少ない)
- 二次的な関節痛や腰痛の併発
こうした状態に対し、「ただ鍛える」だけでは逆効果になることもあります。筋力が限られているため、「無理のない範囲で正しい動作を身につけ、体を守ること」が最優先です。
出張リハビリで大切にしている3つの視点
- 過用を避け、最小の努力で最大の効果を出す
- 左右差・個人差に合わせたオーダーメイド運動
- 生活動作に直結した機能向上を目指す
小児麻痺の方向け:出張対応トレーニングのステップ
① 柔軟性の維持と関節可動域の確保
筋肉の拘縮や関節の硬さは、動作範囲の制限や痛みにつながります。
毎日のコンディショニングは、動ける筋肉を守るためにも重要です。
■ 下肢ストレッチ(股関節・膝・足関節)
- 仰向けで膝抱えストレッチ:太ももの裏を伸ばして股関節の柔軟性向上
- 足関節の回旋・背屈運動:足首の動きと血流を保つ
■ 上肢の柔軟運動(腕・肩)
- 車椅子使用者や歩行補助具を使っている方にも必須
- 肩甲骨周囲の動きが固まると、姿勢が崩れ疲れやすくなります
② 体幹・バランスの強化(姿勢保持の基礎)
■ 座位体幹エクササイズ
- 骨盤の前後傾練習(ペルビックチルト):座位バランスの改善
- ボール押し体幹運動:大きめのバランスボールに両手を置き、前後に体を動かす
■ 立位バランス練習(可能な方)
- 壁や手すりを使いながら、片脚荷重や重心移動を練習
- 無理に筋力を使うのではなく、「重心を感じる」意識を大切に
③ 日常動作の強化(ADL向上)
■ 椅子からの立ち上がり練習
- 膝や股関節が弱い方には段階的なサポートが必要
- 腕の補助を使っても「動作パターンを学習する」ことが重要です
■ 歩行訓練(屋内〜屋外)
- 歩行補助具を併用しながら、安全な重心移動を学ぶ
- 歩数よりも「質」を重視(足の運び、リズム、視線)
小児麻痺の方にとっての“鍛える”の意味
小児麻痺の方にとって「鍛える=無理をして筋力を増やす」ではありません。
重要なのは、以下のような“守るための筋力”です:
- 関節を安定させるための筋力
- 代償動作を防ぐための筋持久力
- 呼吸を安定させる体幹力
■ 呼吸トレーニング
- 腹式呼吸・胸郭運動で疲労感を軽減し、代謝を改善します
■ 重心感覚・空間認知トレーニング
- バランスディスクやタオルなどの簡単な道具を使って、「倒れない」「崩れない」体の軸を育てます
他にも港区出張リハビリトレーナーが勧める腰痛改善トレーニングというブログもございますので是非ご覧下さい!
