港区出張リハビリトレーナーが勧める脳性麻痺の方の自宅でできるトレーニング
脳性麻痺を持つ方にとって、リハビリテーション施設や病院での訓練は非常に重要ですが、真の機能改善と維持には**「日常の中での継続」**が不可欠です。
特に、出張リハビリを専門とする私は、ご自宅という慣れた環境でのトレーニングが、精神的な安心感と持続性を高めることを実感しています。
なぜ自宅トレーニングが大切か?
- 継続性・習慣化: 毎日決まった時間に、無理なく続けられることが最大のメリットです。
- 生活動作への直結: 訓練した動きを、すぐに実際の生活(トイレ、食事、着替えなど)に活かしやすい環境です。
- 環境設定の柔軟性: ご自宅の椅子や壁、ベッドなど、身近なものを活用した、その方に最適なトレーニングが行えます。
🧠 脳性麻痺のトレーニングの基本原則
脳性麻痺は、脳の損傷によって引き起こされる運動および姿勢の障害です。トレーニングの目的は、単に筋力をつけることだけでなく、「正しい運動パターンを脳に再教育すること」、そして**「痙性(つっぱり)のコントロール」**にあります。
1. 緊張(痙性)のコントロール
- ゆっくり、なめらかに: 急な動きは痙性を誘発しやすいです。すべての運動は、鏡を見るようにゆっくりと、なめらかに行うことが鉄則です。
- 深呼吸の活用: 息を止めず、特に力を入れるときにゆっくり息を吐き出すことで、体の過度な緊張を防ぎます。
2. 集中と意識
- 「どこに効いているか」を意識: 漠然と動かすのではなく、「今、お尻の筋肉を使っている」「足の裏のこの部分に体重を乗せている」など、意識を集中させることが、脳への再教育につながります。
3. 安全第一
- 無理をしない: 痛みや過度な疲労を感じたらすぐに中止しましょう。
- 補助具の活用: 必要に応じて、椅子、手すり、壁などを利用して、転倒を防ぎます。可能であれば、ご家族やトレーナーの補助を受けましょう。
🛏️ 自宅でできる自主トレーニングメニュー(実践編)
ご自身の状態に合わせて、**「寝てできる」「座ってできる」**メニューから取り組んでみましょう。
Ⅰ. 寝てできる体幹・下肢のトレーニング(ベッドまたは床で)
主に体幹の安定性と、立ち上がり・歩行に重要な下肢の基礎筋力アップを目指します。
1. お尻上げ運動(ブリッジ)
- 目的: 立つ・歩くのに重要な**お尻(殿筋群)**と体幹の安定性を高めます。
- 方法:
- 仰向けに寝て、両膝を立てます。足は肩幅程度に開き、かかとはお尻に近づけます。
- 息をゆっくり吐きながら、お尻を床から持ち上げ、肩・腰・膝が一直線になるところで5秒間キープします。
- お尻を下げるときもゆっくりと、床につく直前で力を抜かずに再度上げ始めます。
- ポイント:
- お尻を上げたとき、腰を反らさないよう、お腹に軽く力を入れることを意識しましょう。
- 麻痺がある側のお尻にも均等に体重がかかっているか確認しましょう。
2. 横向き膝開き運動(クラムシェル)
- 目的: 股関節の外側の筋肉(股関節外旋筋群)を強化し、歩行時の骨盤のふらつきを安定させます。
- 方法:
- 横向きに寝て、股関節と膝を軽く曲げます。両足のかかと同士は合わせます。
- 上半身が動かないように固定し、息を吐きながら膝をゆっくりと天井方向へ開きます。かかとは離しません。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- ポイント:
- 体が後ろに倒れないように、おへそが正面を向いたまま行うことが重要です。
- 特に麻痺側を下にした場合、体幹が安定しにくいので、壁などに背中をつけても良いでしょう。
Ⅱ. 座ってできる上肢・下肢のトレーニング(椅子で)
安定した椅子に深く腰かけて行います。立ち上がりに不安がある方にも安全です。
3. 膝伸ばし運動(大腿四頭筋の強化)
- 目的: 膝を安定させ、歩行の振り出しや、立ち上がりの土台となる太ももの前側の筋肉を強化します。
- 方法:
- 椅子に背筋を伸ばして座り、片方の足の膝をピンと伸ばします。
- 伸ばしきったところで2〜3秒キープし、太ももの筋肉にグッと力が入っているのを確認します。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- ポイント:
- 難しい場合は、両手で膝の裏を軽く持ち上げて補助しても構いません。
- 反動をつけず、ゆっくりとした動作を心がけます。
4. かかと上げ・つま先上げ運動(ふくらはぎ・すねの強化)
- 目的: 歩行時の蹴り出し(かかと上げ)と、つま先の引っかかり防止(つま先上げ)を改善します。
- 方法:
- 椅子に浅すぎず深く座ります。
- かかと上げ: 両足または片足で、かかとを床からできるだけ高く持ち上げます。
- つま先上げ: かかとを床につけたまま、つま先を天井方向へできるだけ高く持ち上げます。
- ポイント:
- つま先上げは、特に麻痺側が垂れやすい方に重要です。すねの前側(前脛骨筋)を使うことを意識しましょう。
- 両方の動作とも、足の甲や指先に不必要な力が入らないよう注意します。
5. 壁を使った手の伸展運動(上肢)
- 目的: 脳性麻痺による上肢の屈曲パターンの緊張を緩和し、指・手首・肘を伸ばす動きを促します。
- 方法:
- 壁の前に立ち、麻痺側の手のひらを壁につけます(手のひらが完全に開かなくても構いません)。
- ゆっくりと壁に沿って手を上へ滑らせ、肘を伸ばしていきます。
- 可能な範囲で手を高く上げ、壁に押し付けるように数秒キープします。
- ポイント:
- 肩がすくまないように、力を抜きながら行いましょう。
- 手のひらを上に向けるように意識すると、より伸展が促されます。
Ⅲ. 立って行うバランス・歩行トレーニング
安全のため、必ず手すりや壁、または介助者のいる環境で行ってください。
6. 片足立ち(体重移動の練習)
- 目的: 歩行に必須な片足で体を支える能力(立脚相の安定性)を向上させます。
- 方法:
- 手すりや壁の近くに立ちます。
- 健側(麻痺のない側)の足にしっかりと体重を乗せ、麻痺側の足を軽く床から持ち上げます。
- 3秒〜5秒キープし、ゆっくりと足を下ろします。
- ポイント:
- 腰が横に傾かないように、まっすぐ立ち続けることを意識します。
- 麻痺側の足に体重を乗せて行う場合は、さらに慎重に、必要に応じて介助者に補助してもらいましょう。
7. 階段昇降の反復練習(簡易昇降運動)
- 目的: 日常生活で最も負荷の高い動作の一つである階段昇降能力を改善します。
- 方法:
- ご自宅の段差や、低い台(ステップ台)の前に立ちます。
- 健側から足を上げ、しっかりと体重を乗せて立ち上がります。
- 麻痺側をゆっくりと上げます。
- 降りるときは麻痺側からゆっくりと降ろします。
- ポイント:
- 一段一段、止まってバランスを取る時間を設けることが重要です。
- 手すりは必ず掴み、急がずゆっくりと、正確な動作を意識しましょう。
📅 トレーニングメニューの組み方と頻度
自宅トレーニングは、無理なく続けることが何よりも大切です。以下の目安を参考に、ご自身の体調や生活リズムに合わせて調整してください。
| 項目 | 回数/時間 | 頻度 | 注意点 |
| お尻上げ運動 | 10回 × 2〜3セット | 週3〜5回 | 腰を反らさない。ゆっくりとした動作で。 |
| 横向き膝開き | 10回 × 2〜3セット (両側) | 週3〜5回 | 体が前後に倒れないように固定。 |
| 膝伸ばし運動 | 10回 × 2〜3セット (両側) | 毎日 | 伸ばしきったところでキープする。 |
| かかと・つま先上げ | 10回 × 2〜3セット (両側) | 毎日 | 反動を使わず、筋肉の動きを意識。 |
| 壁を使った手の伸展 | 10回 × 2〜3セット (麻痺側) | 毎日 | 肩がすくまないようにリラックス。 |
| 片足立ち | 5秒キープ × 5〜10回 (両側) | 週3〜5回 | 必ず手すりや壁を活用し、安全に。 |
| 階段昇降 | 5往復〜10往復 | 週2〜3回 | 正しい足の出し方を意識。 |
⭐ 港区トレーナーからのアドバイス
「今日は疲れたな」という日は、すべてのメニューを行う必要はありません。ストレッチや深呼吸だけでも構いません。何よりも**「やらない日を作らない」**という意識で、少しずつ身体を動かすことが、機能維持・改善への近道となります。
🏥 最後に:プロのサポートを活用する
http://港区出張リハビリトレーナーが勧める腰痛改善トレーニング自宅での自主トレーニングは非常に有効ですが、専門家による定期的な評価と修正は欠かせません。
最後までご覧いただきありがとうございました。他にも港区出張リハビリトレーナーが勧める腰痛改善トレーニングというブログもございます。是非ご覧下さい!


