渋谷区出張リハビリトレーナーが勧める筋肉が炎症している時の対処法
運動後の激しい筋肉痛や、急に腰や関節を痛めた直後など、筋肉が熱を持ってズキズキ痛む状態は「急性炎症期」にあたります。
出張リハビリの現場において、この時期に最も重要なのは「揉む」「伸ばす」「鍛える」といったアプローチを絶対に避けることです。炎症が起きている筋肉は、組織が微細に損傷して傷口が開いている状態と同じです。まずは傷口を広げないための正しい初期対応(PEACE)を行い、痛みの早期緩和を目指します。
筋肉が炎症している時の正しい応急処置:PEACE
近年、スポーツ医学やリハビリの現場では、従来のRICE処置に代わり、より早期回復を促す「PEACE(ピース)処置」が推奨されています。炎症直後はまずこの前半のステップを徹底してください。
1. Protect(保護)
- 対応: 痛みの出る動きを避け、関節や筋肉を保護します。
- 目的: 損傷した組織へのそれ以上のストレスを防ぎ、出血や腫れが広がるのを最小限に抑えます。必要に応じてサポーターなどを活用します。
2. Elevate(挙上)
- 対応: 痛む部位を、可能な限り「心臓よりも高い位置」に保ちます。
- 目的: 血液やリンパ液の滞留を防ぎ、腫れ(浮腫)を軽減させます。※腰や背中の場合は、仰向けで膝の下にクッションを入れるなどして楽な姿勢をとります。
3. Avoid Anti-Inflammatory Modalities(抗炎症を避ける)
- 対応: アイシング(冷やすこと)や抗炎症薬(消炎鎮痛剤)の過度な使用を避けます。
- 目的: 炎症は体が組織を修復するために必要な正常なプロセスです。冷やしすぎたり薬で完全に抑え込んだりすると、血流が低下して逆に組織の回復が遅れることが分かっています。
- ※ただし、熱感が強すぎて眠れない場合や、日常生活に支障が出るほどの劇痛がある場合は、局所的に10〜15分程度冷やすか、医師の指示に従ってください。
4. Compress(圧迫)
- 対応: 弾性包帯やテーピング、コンプレッションウェアなどで、痛む部位を適度に圧迫します。
- 目的: 組織内の出血や腫れを物理的に抑え、関節のグラつきを防ぎます。
5. Educate(教育・理解)
- 対応: 自分の状態を正しく理解し、不要な受動的治療(過度なマッサージや電気治療など)に頼らず、体が自然に治癒するのを待ちます。
炎症期にやってはいけない3つのNG行動
リハビリ現場でトラブルになりやすい、良かれと思ってやってしまう間違ったセルフケアです。
- NG 1:強いマッサージやストレッチ
- 硬さをほぐそうと揉んだり伸ばしたりすると、損傷した筋繊維がさらに引きちぎられ、炎症が悪化・長期化します。
- NG 2:長風呂で患部を温める
- 炎症直後に湯船でじっくり温まると、血管が拡張して血流が過剰になり、痛みや腫れが強くなります。炎症が落ち着く(熱感が引く)まではシャワー程度にとどめてください。
- NG 3:痛みを我慢して動かす
- 「動かして治す」のは炎症が引いた後の話です。痛みを引き起こす動作を繰り返すと、脳が痛みを記憶してしまい、慢性痛に移行するリスクが高まります。
【専門家からの受診の目安】
- 何もしなくてもズキズキ激しく痛む
- 患部が明らかに腫れ上がっている、または変色している
- 数日経っても痛みの強さが全く変わらない、または強くなっている
これらの症状がある場合は、単なる筋肉の炎症ではなく、肉離れ(筋断裂)や靭帯損傷、骨折などの可能性があるため、自己判断せずに速やかに整形外科などの医療機関を受診してください。
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