中央区リハビリトレーナーが勧めるパーキンソン病の方におすすめの筋力トレーニング

パーキンソン病の症状と向き合う中で、筋力トレーニングは非常に重要な役割を果たします。特に、姿勢の維持、バランス能力の向上、そして日常生活動作(ADL)の改善に直結するため、積極的に取り入れるべきです。中央区でパーキンソン病の方をサポートしているリハビリトレーナーとして、安全かつ効果的にご自宅でできる筋力トレーニングをご紹介します。


なぜパーキンソン病の方に筋力トレーニングが重要なのか?

パーキンソン病は、脳内のドーパミン不足により、運動機能に様々な症状が現れる進行性の神経変性疾患です。主な症状には、振戦(ふるえ)固縮(筋肉のこわばり)無動(動作の緩慢さ)、**姿勢反射障害(バランスの取りにくさ)**などがあります。

これらの症状は、筋力の低下や筋肉のアンバランスを引き起こし、転倒のリスクを高めたり、着替えや食事といった日常の動作を困難にしたりします。筋力トレーニングは、これらの課題に対して以下のようなメリットをもたらします。

  • 姿勢の改善: 特に背筋や体幹の筋肉を鍛えることで、前かがみになりがちな姿勢を改善し、重心の安定を図ります。
  • バランス能力の向上: 下半身の筋力を強化することで、不安定な足元でも転倒しにくい体作りをサポートします。
  • 歩行の安定化: 足を上げる、前に出すといった動作に必要な筋力を養い、すり足や小刻み歩行の改善に繋がります。
  • 動作の円滑化: 筋肉の可動域を広げ、関節の動きをスムーズにすることで、より大きな動作を促します。
  • 疲労感の軽減: 筋力がつくことで、少ない力で効率的に体を動かせるようになり、動作時の疲労感を和らげます。
  • 精神的な効果: 運動による達成感は、気分の向上やうつ症状の軽減にも繋がり、生活の質の向上に貢献します。

トレーニングを始める前に:安全第一で取り組むために

パーキンソン病の症状は個人差が大きいため、トレーニングを開始する前には必ず以下の点を確認し、安全に配慮しながら行いましょう。

1. 医師や専門家への相談

必ず事前に主治医や理学療法士、リハビリトレーナーに相談し、ご自身の病状や体力レベルに合ったトレーニング内容についてアドバイスを受けてください。症状によっては、特定の運動が適さない場合もあります。

2. 転倒予防の徹底

筋力トレーニング中は、転倒のリスクが伴います。必ず手すりや椅子などの安定したものにつかまりながら行ったり、介助者の見守りの下で行ったりしましょう。滑りにくい靴や、滑り止めマットを使用することも重要です。

3. 痛みのない範囲で行う

トレーニング中に痛みや不快感を感じたら、すぐに中止してください。「もう少し頑張ろう」と無理をすると、症状の悪化や怪我に繋がる可能性があります。

4. 適切な服装と水分補給

動きやすい服装で行い、トレーニング中はこまめに水分補給をしましょう。

5. ウォーミングアップとクールダウン

トレーニングの前後には、軽い体操やストレッチで体を温め、クールダウンを行いましょう。これにより、怪我の予防と疲労回復を促します。

6. 無理なく継続する

週に2~3回を目安に、体調の良い日に行いましょう。毎日行う必要はなく、疲れている時は休むことも大切です。継続が何よりも重要なので、楽しんで取り組める範囲で続けましょう。


自宅でできる!パーキンソン病の方におすすめの筋力トレーニング

ここからは、ご自宅で安全に行える筋力トレーニングをご紹介します。各エクササイズは、ゆっくりと丁寧に行い、呼吸を止めないように意識しましょう。

1. 椅子を使った安全な筋力トレーニング

椅子を利用することで、バランスを崩す心配なく、下半身の筋力を効果的に鍛えることができます。

a. 椅子スクワット(立ち座り運動)

立ち上がる動作の改善に直結し、太ももやお尻の筋力を強化します。

  1. 椅子の前に立ち、足を肩幅に開きます。必要であれば、椅子の背もたれやテーブルに手をつきます。
  2. ゆっくりと椅子に座るように、お尻を後ろに引いていきます。このとき、膝がつま先より前に出すぎないように注意し、太ももの筋肉とお尻の筋肉に意識を集中します。
  3. 椅子に座りきらず、軽くお尻が触れるか触れる手前で止め、ゆっくりと立ち上がります。
  • 回数: 5~10回 × 2~3セット
  • ポイント: 動作はできるだけゆっくりと行い、反動を使わないようにします。立ち上がる時に背筋を伸ばし、顔を前に向けることを意識しましょう。
b. 椅子レッグエクステンション(膝伸ばし)

太ももの前側(大腿四頭筋)を強化し、膝の安定性を高めます。

  1. 椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。
  2. 太ももの前側の筋肉を意識しながら、ゆっくりと片方の膝を伸ばし、つま先を天井に向けます。完全に伸ばしきらなくても構いません。
  3. 数秒間その姿勢を保持し、ゆっくりと元の位置に戻します。
  • 回数: 左右それぞれ10~15回 × 2~3セット
  • ポイント: 膝を伸ばす際に、太ももの前側がしっかりと収縮しているか確認しましょう。反動を使わず、ゆっくり丁寧に行います。
c. 椅子カーフレイズ(かかと上げ)

ふくらはぎの筋肉を強化し、歩行時の蹴り出しを改善します。

  1. 椅子に座り、足の裏を床につけます。必要であれば、手で椅子やテーブルを支えます。
  2. ゆっくりと両方のかかとを上げ、つま先立ちになります。
  3. 数秒間その姿勢を保持し、ゆっくりとかかとを床に戻します。
  • 回数: 10~15回 × 2~3セット
  • ポイント: 動作中は、足首をしっかり曲げ伸ばしすることを意識しましょう。

2. バランス能力と体幹の強化トレーニング

転倒予防に直結する、バランス能力と体幹の安定性を高めます。

a. 片足立ち(支持物あり)

バランス感覚を養い、足腰の筋力も同時に鍛えます。

  1. 壁やテーブル、椅子の背もたれなど、何かにつかまれる場所の近くに立ちます。
  2. 片方の足をゆっくりと床から離し、数秒間片足立ちをします。最初は数秒から始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。
  3. バランスが崩れそうになったら、すぐに手で支えにつかまります。
  • 時間: 5秒~30秒 × 左右それぞれ2~3セット
  • ポイント: 無理のない範囲で行い、安全を最優先しましょう。慣れてきたら、手を支えから少し離して行うなど、徐々に負荷を上げていきます。
b. ヒップリフト(ブリッジ)

お尻の筋肉(殿筋群)を鍛え、骨盤と体幹の安定性を高めます。

  1. 仰向けに寝て、膝を立て、かかとをお尻に近づけます。腕は体の横に置きます。
  2. 息を吐きながら、お尻をゆっくりと持ち上げます。膝から肩までが一直線になることを目指しますが、無理は禁物です。お尻の穴を締めるような意識で行うと、より効果的です。
  3. お尻の筋肉をしっかり意識して数秒キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
  • 回数: 10~15回 × 2~3セット
  • ポイント: 腰を反りすぎないように注意し、お腹にも軽く力を入れて体幹を安定させましょう。
c. プランク(膝つき)

体幹全体の安定性を高め、姿勢の維持に役立ちます。最初は膝をついた状態から始めましょう。

  1. うつ伏せになり、肘を肩の真下につき、膝をついて体を支えます。
  2. 頭から膝までが一直線になるように、お腹に力を入れ、体を持ち上げます。お尻が上がりすぎたり、腰が反りすぎたりしないように注意しましょう。
  3. この姿勢を10~30秒キープします。
  • 時間: 10~30秒 × 2~3セット
  • ポイント: 呼吸を止めずに、お腹をへこませるように意識して行いましょう。

日常生活での筋力活用と意識

トレーニングだけでなく、日常生活の中で意識して体を動かすことも筋力維持・向上に繋がります。

  • 大きな動作を意識する: 歩くときには腕を大きく振り、足をしっかり上げて歩幅を広げることを意識しましょう。
  • 積極的に体を動かす: 家事や身の回りのことを、できる範囲で自分で行うようにしましょう。
  • 階段の利用: 安全に昇降できる範囲であれば、エレベーターではなく階段を利用することも良い運動になります。
  • 定期的な休憩と休息: 疲れを感じたら無理せず休息を取り、体を休ませることも大切です。

まとめ:継続は力なり

パーキンソン病の症状は進行性ですが、適切な筋力トレーニングを継続することで、症状の進行を緩やかにし、日常生活の質を維持・向上させることが可能です。ご紹介したトレーニングは、ご自宅で安全に行えるものばかりです。

大切なのは、**「焦らず、ご自身のペースで、無理なく継続すること」**です。痛みを感じたらすぐに中断し、安全第一で取り組んでください。

もし、ご自身の状態に合わせたより専門的なアドバイスや、トレーニング中のサポートが必要であれば、私のような出張リハビリトレーナーにご相談ください。中央区のご自宅までお伺いし、お一人おひとりの症状や体力レベルに合わせた最適なトレーニングプランをご提案し、一緒に目標に向かって伴走させていただきます。

筋力トレーニングを通して、より活動的で充実した毎日を取り戻しましょう。何かご不明な点や、さらに詳しく知りたいことがあれば、お気軽にお尋ねください。

他にも中央区リハビリトレーナーが勧める膝が痛い時でも家でできるトレーニングというブログもございます。是非ご覧下さい。

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